※大人向けの描写が強めです(当社比)苦手な方はご注意ください。
バケツをひっくり返したような、そんな形容詞がぴったりくるような豪雨だった。
その中を急いで走ってきたせいで、髪と靴をぐっしょりと濡らしたリンが部屋に入ってきた。
「おかえり」
「ただいま」
簡素な挨拶のあと、リンは大きなため息をつくと濡れた上着を脱ぐ。
幸いなことに中のブラウスまでは雨に侵食されておらず、乾いた表面を保っていた。
「髪、すごいよ」
レンは立ち上がり、額に張り付いた髪の束をそっと退かす。
雫が落ちて、リンの滑らかな輪郭をつぅーっと伝った。
「靴も濡れちゃった」
ベッドに腰掛け、クローゼットからレンが取り出したタオルを受け取る。
髪を乱雑に拭きながら、ひょいと片脚を持ち上げて雨によって一段濃く染まった靴下をレンに見せる。
「まだ履いてたのかよ」
「足、気持ち悪い」
微妙に噛み合わない会話のあと、ったく、と呆れたようにレンは靴下に手を掛けると、そっと足から引き剥がすように脱がし始めた。
「なんだか女王さまみたいー」
「あーハイハイ」
クスクスと笑うリンに適当に返しながら靴下を脱がしていく。
湿った靴下は案外脱がしづらく、また脱がしたそこからは雨の匂いが強くたつ。
なんとか両足とも脱がし終えると、ありがとう、と言う代わりにリンは足をヒラヒラと動かした。
冷えて普段より白くなった足から、より強い雨の匂いがたつ。
その内の一本をレンがくいっと掴む。
リンが驚いているのも無視して、レンはその血色の悪い足の甲に唇を押し当てた。
「ちょっと、レン…!」
意表をついたレンの行動にビクッとリンの身体が反応する。
けどレンは足が逃れないように手に力を入れると、足に舌を這わしていく。
温かくにゅるりとした感触に、リンの身体が再び跳ねる。
「レン、だめっ…んっ!」
お構いなしにどんどんエスカレートしていく舌は遂に太ももまで辿り着いた。
そこで一旦動きを止めリンを見上げれば、髪を拭いたタオルをぎゅっと握りしめ、目をかたく瞑っているリンがレンの目に映った。
「リン…」
そっと頬に手を伸ばし、優しく撫で上げれば瞼がゆっくりと開き、潤んだ瞳が覗かせた。
そのままレンはそっと柔らかな唇にキスを一つ落とした。
「冷たい」
唇を離してそう言うと、
「でも、レンはあったかい」
とリンからもう一度、小鳥が啄ばむようなキスをしてきた。
リンの誘い込むような行動にドキリとしたレンは、すぐ離された唇を追うように再びキスをする。
今度のは先程より深く、長い。
「んっ……」
くぐもった声が上がり、レンから逃れようと身動きするリンの頭を両手で抑え、雨のなごりでまだかすかに湿っている髪を掻きあげた。
そしてそのままベッドへと雪崩れ込む。二人分の重さにスプリングが軋む。
そこでようやく唇を離せば、先程よりもっと潤んだ瞳がレン仰ぎ見る。
「身体、あたためてあげるよ」
リンの耳もとでそっと囁けば、肯定するよにリンが瞼を降ろした。
ブラウスのボタンを外しながら露になっていく鎖骨をなぞる様に舐めていく。
リンの身体がたまにビクッと揺れ、シーツを握りしめる手に力が篭るのがわかる。
どんどん開放されていく胸元を舐めたり時々吸ったりしながらも、ボタンを手に掛けていき、ついに最後の一つを外し終える。
「いやっ…!」
下着姿になった上半身を隠そうと、リンが胸を手で押さえる。
だけどすかさずレンがその手首を抑え付け、それを阻止する。
「リンかわいいよ」
そう言いながら、レンは胸に優しく唇を這わしていく。
そして控えめな色のブラの上から小さな膨らみを唇全体で刺激する。
布地と擦れるなんとも言えない感覚に、今まで一番大きい反応をリンが見せる。
「どうかした?」
「どうもしてないもん…いじわる」
顔を上げて、わざととぼけたように聞いてきたレンを軽く睨みつける。
そんなリンを見て、レンは優位な笑みを浮かべると、ブラのホックに手を伸ばす。
そのお陰でリンの腕は解放されていたが、それ以上抵抗する気も起きず、レンの首に絡ませる。
間もなく胸の締め付けがなくなり、外気にさらさたと思うと敏感なその部分を湿った舌が触れる。
「服の上から触っただけなのに、ここ硬くなってるよ」
「ん、、しら、ないっ…」
へぇ、そうなの?と言った感じでレンが片方の乳首をすいあげ、もう片方を指で摘む。
「あっ、やっ、だめ…」
「何がダメなの?」
「んっぁ…!」
「ダメじゃないでしょ」
舌で乳首を弄びながら、空いた手でもう片方の胸を揉んだり、腰の辺りを愛撫していく。
その手が今度はリンのズボンのボタンを外すと、下着ごと下まで一気に引きずり下ろした。
「すごいよ、リンのここ」
開かせた足の奥に触れてみれば、とろとろとした粘液が溢れてきている。
「あれだけで、もうこんなに濡れちゃうの?」
「ぬ、濡れて、なんか…」
「こんなにスゴイのに?」
証明するようにレンはくちゅりとわざと大きな水音をたてる。
部屋に響いたその音に、羞恥心からリンの顔が赤く染まる。
「いやらしい音」
撫でるように入り口をまさぐっていた指を、ふと奥に入れる。
指は抵抗なくリンの中に侵入した。
「すごい、簡単に入っちゃった」
「んんっ…!やっ、、」
「ホラ、わかる?」
リンの中で指を動かす。
そのたびにリンの秘部から溢れる蜜が音を奏でる。
一通り掻き乱したあと、指を抜けばべっとりと粘液が絡み付いていた。
ハァハァと肩で息をするリンに、これ全部リンのだよ、と蜜を纏った指をリンに見せ付ける。
「し、知らないもんっ…!」
体中を紅潮させながら、それでもまだ強気に知らないフリをするリンに、
「それじゃあ、これでも?」
レンが自分のズボンを脱ぎ、熱くなった自身を取り出す。
それを見たリンの身体が身構えるのが伝わる。
キスをしながらそっとリンに覆いかぶされば、リンがその肩を掴む。
そんなリンの身体を両腕で包み込み、一息吐くとリンの中に自分を沈ませていく。
「ひゃあ、あっ、あっ!」
「ん、すごいリンの中に入っていくよ」
わかる?と聞けばリンが目をぎゅっと閉じコクコクと頷く。
濡れそぼったソコはすんなりとレンを迎え入れ、ゆっくりと、だが確実に奥へと進んでいく。
「ゃっ、あっ…レ、、ン」
奥へ、奥へと進むほど声にならない声がリンから上がる。
漸く最奥へと辿り着いたレンは緩急をつけながら腰を動かし始める。
リンのそこは熱く、狭く、気を抜いたら一気に持っていかれそうになる。
「あっ、ぃゃ、んんっ!」
「リン、これ好きだよね」
腰を一際早く動かせば、その快感に耐えるために肩に置かれたリンの手に力が入っていくのがわかる。
どんどん溢れ出る蜜の音と、腰を打ち付ける音が聴覚を犯していく。
「んん、あっ、レンだめぇ…!」
いやいやと首を振るリンにレンは貫くような挿入をした。
「んっ…!」
軽く果ててしまったリンにレンは耳もとで囁く。
「イっちゃったの?」
熱い吐息が漏れ、肩に添えられていた手がピクリと動いた。
また、そんなことない、と強気なことを言ってくるかな。
レンがそう思っていたら、
「レン、、、すき」
漏れた言葉は予想とは違った。
その言葉にレンは自身が膨れ上がるのを感じた。
「あっ、」
中で敏感にそれを感じ取ったリンが震える。
「リンっ…!」
止まっていた時が再び動きだす。
その激しさに、リンの身体が再び快感の渦に陥る。
「レ、ンっレンっ…」
「オレも………好きだよ」
止められない衝動とともに言葉を紡ぐと、リンの締め付けが一段と強くなる。
そこに全てを吐き出すと、呼吸も整っていないのにリンにキスをする。
唇、頬、額…それこそ顔中全て。
熱くなったのは身体だけじゃない。