連鎖遊戯の心得
強引に入ってきた舌に口内をかき乱される。
その隙に空いている方の手で素早くタオルの結び目を解かれて、何も纏っていない胸が露になる。
手で隠したいの、両手首はレンに拘束されていて、って片手で両手を塞がれているのがちょっと癪だ。
でもレンは一人であたしをお風呂場からこの部屋まで運んできたのだ。何だかんだで男の子だなあ、なんて考えている・・・余裕がなくなってきた。
「んっ、、、」
くぐもった声を出すと、ちゅっとわざとらしく音をたててレンの唇が離れた。
二人を濡れた銀糸が繋ぐ。それをレンは手の甲でグイッと拭うと、あたしの呼吸が収まる前に首筋に顔を近づける。
レンの少し薄い金髪が、頬にチクチクと刺さってくすぐったい。舐められている首も、そこが蕩けてしまいそうなほど熱い。
あたしはまださっきのキスで奪われた呼吸を取り戻そうとしてるのに。
その時、頭上で拘束されていた手が解放された―――と思った瞬間、優しく持ち上げるようにレンの両手が胸に触れてきた。
「ちょっ、やぁ・・・!」
やわやわと揉みほぐすような手つきに抗議の声を上げると、顔をあげて、大きくしたいんでしょ?と言われた。
恥ずかしくなってレンから顔を逸らすが、レンはお構いなしにあたしの胸の膨らみを弄ぶ。
「はっ、あんっ・・・!」
先端をつままれ自分のものとは思えない、高い鼻にかかった声が出る。
なんとか空いた手でレンを押し返そうとすると、やんわりと制止されてまた動きが自由にとれなくなってしまった。
「ひゃぁ・・・っ!!」
刺激のなくなった方の乳房が、今度はレンの口の中に含まれる。
レンの愛撫で固くなった先端が生温い口内でころころと転がされたり、きゅっと吸われたりする。
噛まれたときなんか、ビクリと電流が走ったように身体が跳ねてしまう。
「感じる?気持ちイイ?」
「んっ、あ・・・この、変っ態!」
喉の置くから振り絞るような声を上げれば、レンはこちらを見てまるで何かを企んでいるような、意地悪な微笑みを浮かべる。
「でもリン、あの本全部見たんでしょ?」
「えっ、なんで・・・ひゃ、あんっ!」
お見通しだよ、とでも言うように、足の間を割って入ってきた手が、あたしの大事な箇所をそっとなぞる。
「やっぱり見たんだ。でどうだった?」
「んっっ、やっぱり、って・・・あぅ、サイテイっ!」
「オレがあの本読んでるの知ってショックだったんだろう?それでダイエットとか頑張って」
リンは可愛いな、と言って唇に軽くキスされる。レンは絶対楽しんでる。今そんな風に言われたって全然嬉しくなんかないんだから!
「ま、胸大きいリンは、それはそれで嬉しいけど」
一際強く胸を揉まれる。
最低!最低!この鬼畜!!と言いたいのに、上からも下からも攻められて、出るのは切なげな悲鳴だけ。
唯一と睨みつけてやったけど、涙目ではさほど効果がないらしく、レンはあたしを無視してどんどん深みに入ってくる。
「リンのここすごいよ」
くちゅくちゅと水音をたてて中をかき回すレン。そんなこと言われなくてもわかってる。
身体がまるで言うことを聞かない生き物のようで、溶けてしまいそうな感覚に陥る。
絶え間なく与えられる刺激に、涙で視界が霞む。
一際高い声が上がると、それを合図にしたのか、それとも状態をみて十分と判断したのか、指が抜かれて手が解放される。
「入れるよ」
ベルトをはずす音が遠くで聞こえる。
解かれた手は宙をさ迷って、レンの首筋にしがみ付く。
まるでこれから来る波を受け止めるように、ギュッとその腕に力を込めた。
ぐっと、先端があたしの濡れそぼるそこにあてがわれるのが分かる。
そのままレンは焦らすようにゆっくりと、味わうようにねっとりと、中に少しずつ入ってくる。
「ふっ、はっ、、やくっ!」
その緩慢な動作に思わず私は、早く来て、とせがんでしまう。
だってこれではまるであたしをいじめるのを楽しんでいるみたい。いや、そうなのかも。
「何、リン、もう?」
「あ、、、ん、はあっ、ああっ」
そうもうレンが欲しいの。何でこんな風に思っちゃうんだろう。やっぱりあの本の影響なんだろうか。
ぐちゅぐちゅと繋がった部分から卑猥な音が立つ。
持ち上げられた足は、より深く繋がる体勢を求め、加速する腰の動きに連動してあたしも自ら踊りだす。
レンのもので奥を突かれて背がのけ反る。粘膜の壁がこすれ、色々と混ざった液がつたい落ちる。
「ああっん、れぇ、んっ・・・!」
「っイク・・・!」
もうダメとあたしはレンの首筋に顔を埋め、締め上げると、レンも声を喘がせてあたしの中に全てを吐き出した。
「ねぇレン、胸大きくなってないよ・・・」
「ぶっ!え、リンまさか本気にしてた?」
「えっ嘘なの!?」
レンの反応あたしは鋭い視線を向ける。
だってこれで胸が大きくなると思ってたのに・・・!
「嘘ではないけど・・・」
「けど?」
「一回じゃムリに決まってるだろ?毎日やらなきゃ」
「えっ、それってつまり・・・?」
「そゆこと」
語尾にハートマークをつけるような調子で微笑んだ彼の顔は、とても愛らしい部類に入るのだろうけど、あたしにはとても恐ろしくみえたのだった。